2013年 10月 15日
カワラナデシコ |
「一本の瞿麦植ゑしその心 誰にみせむと 思ひ 初めなむ」
大持家持 万葉集 巻十八
万葉集に26首詠まれ 多くの人に愛されていたのだろう
家持は11首を詠み 誰に見せようとして植えたのだろうか
家持の心の襞を知りたいものだが シャッターを切るとき同じことを思っている 私がいる
枕草子には
「草の花は撫子 唐のはさらなり 大和のものいとめでたし・・」
とし
更科日記には
「もろこしか原といふところも 砂子いみじう白きを二三日ゆく 夏は大和撫子の濃く薄く錦をひけるやうになむ咲きたる これは秋の末なれば見えぬ といふに なほところところはうちこぼれつつあわれに咲きわたれり・・」
としている
河原撫子の名は
河原は河原に生育することから
河原にも生育するが 山地の陽あたりよい原野に多いと思うが・・
撫子は 愛撫する子という意で 可憐に咲く花風情からのものであろう
色名に
襲の色目 撫子の若葉の色 表は蘇芳(すおう) 裏は青
襲の色目 撫子 表は紅 裏は淡い紫(かさねの色目P29)
撫子色は
当時の流行の色という意味から 今様色という名がある(C4 M79 Y40 B20)(日本の伝統色p17)
by watanabe-photo-st
| 2013-10-15 10:46
| 野の花と樹と